英語教室の生徒と「貧困」について語る日が来るなんて、少し前の私だったら、考えられなかった。
先月、ユキ先生は高校生用の教材として、ホームレス問題の記事を書いて下さいました。 最初は戸惑ったものの、こんな機会を下さったこと、本当にありがたいと思っています。
ホームレス問題―
コロナ禍で、炙り出された人達。
ネットカフェ難民。
DVで帰る場所のない女性や少女。
フードバンクの存在。
彼らの自立のため奔走する人々、
日本で、世界中で、今日も
誰かが苦しんでいる「貧困」。
アカデミー作品賞、監督賞を受賞した映画”Nomadland”も、経済的理由から住居を失い、キャンパーのような暮らしをする、アメリカの高齢者を描いた作品、ということで紹介してくださいました。
(まだ観ていません。観に行かなきゃ。)
これらのことを、高校生になったばかりの生徒と一緒に、全部英語で読みました。
動画を観たり、資料を読んだりもしました。
"Just imagine…what if you lose all your possessions, your family and a place to live in,…"
生徒にそう問いながら、私自身も答えが出ませんでした。
いくらかの貯金、家族、住むところをすべて失ってしまったら、私はどうするだろう…
彼らがホームレスになったのは、怠けていたからじゃない。悪いことをしたわけじゃない。不運が重なったからなんだ。ーアメリカのジャーナリストがそう語り掛ける動画も観ました。
だから、ホームレス問題は他人事じゃないのです。
「ここままではいけない」と誰もが問題意識を持つことが初めの一歩なのだと、子どもと一緒に学びました。
レッスンの最後に
"Do you have any opinions about today’s theme?"
と問うたら、彼女はふいに日本語でこう答えました。
「…あの…私もずっと、思ってた…
例えば、廃棄される食べものって、必要としている人がいるんじゃないのって。
誰も何もしないの?って。
どうして?って。
そしたら、こんな事やってる大人がいるんだって、今日分かって…
安心した。
私、間違ってなかったんだって思ったし、
行動している人、すごいなって思ったし
私もこんな大人になりたいって思った…」
言葉が出ませんでした。
そういえば私も幼い頃、物乞いする人をデパートの前で見かけて、胸を痛めたことがあった。
その痛みを忘れて、何もしない大人になっていました。
彼女はきっと素敵な大人になるでしょう。
ホームレスの人が登場する英語の絵本は、なんどか子ども達とシェアしたことがあります。
★Great Joy (邦題「ゆきのまちかどに」)
★The Tooth 私の中で、とても大切な絵本です。
そして、こんな絵本に出逢いました。
(邦訳は「きょうはおかねがないひ」) 「今日はたべるものがないから、フードバンクに行かなくっちゃ。」
貧しいながらも、明日への夢を持って生きる、母娘の物語。「昔々のおとぎ話」ではありません。
いい本です!私、この本好きです!
でも…
どうやって子ども達に紹介しようか、すごーーーーーく今考えてます。 それぞれのご家庭の経済事情を汲みながら、読むことも必要かも…。 (画像はAmazonからお借りしました)
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