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「貧困」について、高校生と英語で考える

更新日:2021年5月22日


英語教室の生徒と「貧困」について語る日が来るなんて、少し前の私だったら、考えられなかった。


先月、ユキ先生は高校生用の教材として、ホームレス問題の記事を書いて下さいました。 最初は戸惑ったものの、こんな機会を下さったこと、本当にありがたいと思っています。


ホームレス問題―


コロナ禍で、炙り出された人達。

ネットカフェ難民。

DVで帰る場所のない女性や少女。

フードバンクの存在。

彼らの自立のため奔走する人々、

一般社団法人「Colabo」やNPO団体「ホームドア」。


日本で、世界中で、今日も

誰かが苦しんでいる「貧困」。


アカデミー作品賞、監督賞を受賞した映画”Nomadland”も、経済的理由から住居を失い、キャンパーのような暮らしをする、アメリカの高齢者を描いた作品、ということで紹介してくださいました。

(まだ観ていません。観に行かなきゃ。)


これらのことを、高校生になったばかりの生徒と一緒に、全部英語で読みました。

動画を観たり、資料を読んだりもしました。

 

"Just imagine…what if you lose all your possessions, your family and a place to live in,…"


生徒にそう問いながら、私自身も答えが出ませんでした。

いくらかの貯金、家族、住むところをすべて失ってしまったら、私はどうするだろう…


彼らがホームレスになったのは、怠けていたからじゃない。悪いことをしたわけじゃない。不運が重なったからなんだ。ーアメリカのジャーナリストがそう語り掛ける動画も観ました。


だから、ホームレス問題は他人事じゃないのです。

「ここままではいけない」と誰もが問題意識を持つことが初めの一歩なのだと、子どもと一緒に学びました。


レッスンの最後に

"Do you have any opinions about today’s theme?"

と問うたら、彼女はふいに日本語でこう答えました。


「…あの…私もずっと、思ってた…

例えば、廃棄される食べものって、必要としている人がいるんじゃないのって。

誰も何もしないの?って。

どうして?って。


そしたら、こんな事やってる大人がいるんだって、今日分かって…

安心した。

私、間違ってなかったんだって思ったし、

行動している人、すごいなって思ったし

私もこんな大人になりたいって思った…」


言葉が出ませんでした。


そういえば私も幼い頃、物乞いする人をデパートの前で見かけて、胸を痛めたことがあった。

その痛みを忘れて、何もしない大人になっていました。


彼女はきっと素敵な大人になるでしょう。

 

ホームレスの人が登場する英語の絵本は、なんどか子ども達とシェアしたことがあります。

Great Joy (邦題「ゆきのまちかどに」)

The Tooth 私の中で、とても大切な絵本です。


そして、こんな絵本に出逢いました。

(邦訳は「きょうはおかねがないひ」) 「今日はたべるものがないから、フードバンクに行かなくっちゃ。」

貧しいながらも、明日への夢を持って生きる、母娘の物語。「昔々のおとぎ話」ではありません。

いい本です!私、この本好きです!

でも…

どうやって子ども達に紹介しようか、すごーーーーーく今考えてます。 それぞれのご家庭の経済事情を汲みながら、読むことも必要かも…。 (画像はAmazonからお借りしました)

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