東京五輪・パラリンピック開閉会式の総合統括を務めるクリエィティブディレクターが、起用予定だった渡辺直美の容姿をブタに喩(たと)えるような演出を提案していたとして世間の批判を受けた。氏は自らの不適切な表現の責任をとるかたちで辞任したーーー
という先月のニュースを、小学生用の教材に使いました。
もちろん、元の記事を執筆されたのは、椿由紀先生です。 (🌸ホームページを開設されました。おめでとうございます!🌸)
この、元クリエイティブディレクターの企画の何が問題だったのか、を私の中でまず整理をしました。
■人を動物に喩える。
様々な動物に対するイメージは各国様々(かわいい仔犬や仔猫ならいいの?サルはだめ?豚は宗教的にダメ?)、とてもセンシティブなのです。国際イベントでそんな企画は有り得ない、と思います。
■容姿をいじる。
“芸人さんだから、いじってもらってなんぼじゃないの”といった意見も聞きました。 「この報道で傷ついた人がいる。(私はいいの)」と心配したのは、当の渡辺直美さんです。 容姿の特徴をいじる、からかうという行為は、どんな見方をしたってNG。褒めたつもりで、相手がきずついていることだってある!そんなつもりなかった、で済ませてはいけないのです。
これを子ども達に伝えるのに、難しいなと思った単語がありました。 私は、できるだけ日本語を入れずに、英語の言葉を子ども達の感覚でつかんでほしいなと思っています。
⭐️rude
…という単語を使われている、ある場面を観せようとしたら、Rちゃんが 「知ってる!Full Houseでいつも言ってた!」 と言って、びっくり! 私が用意していたのも、アメリカの古いドラマFull Houseの動画でした。 Stephanieが繰り返す、カワイイ"How rude!" 「ま、失礼ね!」 という雰囲気がすごく伝わります。
⭐️step down from the post
お山の上にドンと座るボス猿のイラスト。
そして階段を降りるイラスト。
これで、
post(positionも同じような意味だよと伝える)から降りる=辞任する
という感覚、伝わったかな。
⭐️respect
私は高校生の時に「尊敬する」という訳語を覚えてしまい、後に混乱しました。
英語圏の教育現場では、
Show your respect.
という文、よく見かけます。(この場合のrespectは名詞です)
相手の良さを認める。
相手の考えや思いを大切にする…
「尊敬」だけではない、もっと深い意味があるのです。
RちゃんとMちゃんの二人は、相手の素敵なところ探しをしました。
そしたらMちゃんが
「相手をそん…ちょう、することかなぁ?」
「尊重!
そんな日本語知ってたのねーーー!」
いろんなところでまた、respectという単語に出逢い、少しずつ身に着けていくことでしょう。
多読三原則に
1.辞書を捨てる
というのがあります。いちいち日本語の意味を調べない。分からなかったら飛ばしちゃえ、です。 いつかストンと腑に落ちる日が来るのです。 子ども達に、日本語を早々にあてがってしまうのは、とてももったいないなと思います。
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